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大地のフルートのストーリー


音楽への新しいアプローチを
     大地のフルートと共に



”大地のフルートは,教育現場で,自然のなかでの演奏に,ワークショップや朗読などのイベントの充実に,瞑想・セラピー・ヒーリング・リラクゼーションの助長に,または単に音楽と音からの体の喜びを楽しむために,様々な用途があります. 楽器を演奏したことのない方にも,プロや音楽の先生にも高く評価されています.”

大地のフルートは学習ができる限り簡単になる楽器を開発する目標から誕生しました.
これは,簡単に弾ける楽器を作れば一部達成されますが,奏者の表現力も重要な要素です.
通常の楽器は表現力の20%程度をカバーし,残りの80%は弾く人が長年の練習を重ねることで身につけなければなりません.
大地のフルートの場合,この割合は50%対50%ぐらいになります.
つまり,このフルートは他の楽器なら厳しいトレーニングではじめて得られる表現力の大部分をすでに備えています.
単に音が美しいだけではなく,音に命と個性を吹き込む音色(ティンバー)もしっかりしています.歌手の歌い声のように,ただの音ではなく,魂を持っています.

    大地のフルートの誕生につながった,音楽に関する観察や考察をご紹介します.

何か楽器を弾けるようになりたいという衝動を感じたことがありませんか?
多くの場合,そのような思いは願いのままで終わってしまいます.
または,最初の壁が乗り越えそうにないと感じて,すぐに諦めてしまいます.
しかし,音楽が障害を作ることはありません.私たち自身が音楽を難しくしてしまっているのです.
音楽家の道を進むと決めた者でも,音楽に深く満たされた実感が保証されません.

音楽家は誰でも「完璧なコンサート」  というユニークな経験を夢見ています.
そのような経験を「私を通して何かが演奏していた」とか「他の誰かが演奏して私は聴いているだけのようだった」と表現したりします.
このような最高の時間を求めてミュージシャンは一生懸命励んでいるのです.

しかし,プロの場合は,日常のルーチンが優勢になってしまうことがよくあります.
楽器をマスターするためには,毎日何時間も楽器と向き合い,アンサンブルとともに厳しい練習を重ねなければなりません.
音楽の背景を理解するために,理論的な知識も習得しなければなりません.
楽器を完全に操るには,楽譜を見て一つの間違いもなく演奏する能力も必要です.
そして,勉強が終わったら,試験が待ち受けていて,落第する不安と恐怖に襲われます.
不幸にも落ちてしまったら,最初からやり直しです.
なんと美しい音楽の世界でしょう!

音楽を奏でることがエリートの特権だと思い,楽器に手を出すのを恐れる人もいます.
独裁的なピアノの先生,凝り性のフルートの先生,楽譜を厳しく教え込まれたなどといった子供のときの悪い思い出が心から離れません.
音楽を心の奥深くで大切に思っていても,このようなことは音楽へのアクセスを妨げます.

このような困難を乗り越えることなく,奏者が音楽の高みへ辿り着くことができれば,なんと幸せでしょう!
しかし,残念ながら,それが可能であるということを信じる人が少ないのです.
音楽の夢へとまっすぐに向かって進むことがなぜできないでしょうか?
道を塞いでいるのは主にこの演奏に対する恐怖です.

視点を変えてみませんか?
厳しい練習と勉強に挑戦する代わりに,私たちの内側に宿る音楽体験への扉を見つけることを妨げるハードルを回避すればよいのです.
音楽を形作るのは演奏のテクニックではなく,逆に音楽が楽器を操る方法を遊びの感覚で教えてくれます.
音楽は長年の練習のあとに始まるものではなく,最初の音から始まるのです.

音楽に導いてもらうのです.
成果に関する懸念や「楽器をマスターするには何年間練習しなければならないのか」といった心配に進歩を惑わされないように.
その代わり,これまで成し遂げたことを喜びましょう.
それができれば,数日間のうちに自ずと進歩していることに気づきます.

扱いやすい楽器はこの考え方をサポートします.
幅広い音階を演奏できることよりも,歌手が一音一音を探求するように,すべての音を確実に表現できる力をもつ方が大事です.
また,妙技(virtuosity)は音楽的な表現の能力とはもともと無関係です.
ゆっくりしたペースでなかなか弾けないプロのミュージシャンを何人も聞いたことがあります.
曲のゆっくりした部分が強引でパワーもエネルギーも欠けており,次の速くてパワフルな部分が待ち遠しくなります.
機械的に演奏しなければ,妙技でエネルギーが再興されることが可能ですが,妙技においてよく必要となる,音楽的な表現力とは無縁な身体のエネルギーの方が強く現れることが多いです.
この頃は音楽の演奏が効率とつながってしまっただけに,大事なことが消え失せています.
これらの内なる価値観は無くなりました.
献身的な気持ちで奏でられるただ一つの音の方が,技術的に完璧でも魂のない演奏よりは聴き手そして奏者をずっと先まで運んでくれるのです.

どのような楽器がいい?

楽器がはじめから強い音楽的な表現力を備えて,魂を持っていれば,数少ない音でもすぐに何かを感じさせる雰囲気が醸し出せます.一方,弱々しい楽器だと,聴衆に何かのメッセージを伝えるのにかなりの努力を要します.
自由で楽しく演奏するには,選んだ楽器がよく知られたものでない方が有利です.
なぜかというと,バイオリンやピアノやレコーダーなどの楽器は先入観を伴うからです.
聴衆はそのような楽器が正しく演奏されればどのように聞こえるべきかすでに知っており,演奏される音楽をこの知識と照らし合わせてしまいます.
このような線形的な考え方は自由に楽器を演奏したい人の邪魔になります.
新しく知られていない楽器だと,この種の障害がありません.
内なる源から音楽を発見することが手の届く範囲に入ります.
楽譜も音楽の基準も満たす必要がありません.
最初の音から「公式」な(オフィシャルな)音楽になります.
誰でも知っている楽器を演奏する音楽家と自分を比べたり,競争したりする必要もありません.
これが音楽への解放された態度を手に入れる理想的な機会です.
導くべきなのは,音楽の技術や知識ではなく,音楽自身です.
私たちが音楽に心を開けば,音楽は道案内をしてくれるでしょう.

音楽理論など,音楽への直接のアプローチを妨げるものを回避することが肝要です.
また,「楽器を完全にマスターするまでにどれぐらい練習しないといけない?」と尋ねる代わりに,現在を見据えながら「道がゴールなり」と思った方がよいです. これが音楽の自由な演奏への道です.
私たちに欠けているものではなく,すでに成し遂げたものが大事です.
数日前にはまだ不可能だった方法で楽器を通して自分を表現できたのだ!と自分の進歩の速さに喜べばよいです.
自由な態度で向き合えば,よい音を出す楽器なら,いくつかの音でも十分です.
いくつかの音だけでも特別な雰囲気を醸し出すことができます.
「音一つ一つがコンサートです」と言えるでしょう.

大地のフルートは以上のような観察から生まれました.
このフルートの開発にはなんと20年間もかかりました.
フルートを作る際に最も気にしていたのは,音の多様性ではなく,まぎれもなく音の強さでした.音の多様性と音の強さとは,一本のフルートが満足できるほど併せ持つようにするのが無理な資質です.
単純に言えば,たくさんの音を持つが音が弱い楽器にするか,音の数を減らして音を充実させるかのどちらかです.
フルート製作ではこれは常識の妥協になっています.

大地のフルートは一途に「よい音」が出るように作られた楽器です.
大地のフルートの半径は筒の長さに比べて大きくとってあります.
また,筒の材料の強度と木材の厚みも重要な役割を担っています.
分厚い壁に半径を大きくとると,低い音が豊かになります.
ここで強調したいのは,木材の種類や質が音の10%ぐらいにしか影響しない,ということです.そのため,造り方が肝心になります.

音を創り出す歌口が重要な部品です.
フルートの筒の体積がフルに使われて,重厚で高尚な音が作られるために,歌口の製作に特別な配慮が要求されます.
深い音との関係ですが,大地のフルートのボディーは比較的に短いです.
これは,一方では広い幅によるものですが,他方では歌口の構造にも関係しています.
豊かな底色も加わっています.
サイズの短い楽器は人間工学的な奏法を可能にし,指を無理に広げる必要がありません.
これによって,自由な演奏がさらに促進されます!

大地のフルートをお持ちの方にいただいた感想を見ると,このフルートが完全に期待に応えていることが確認できます.
大地のフルートは,教育現場で,自然のなかでの演奏に,ワークショップや朗読などのイベントの充実に,瞑想・セラピー・ヒーリング・リラクゼーションの助長に,または単に音楽と音からの体の喜びを楽しむために,様々な用途があります.
楽器を演奏したことのない方にも,プロや音楽の先生にも高く評価されています.

Alf Jetzer Erdklangflöte
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